「君が言った一言で僕は変わった」
昔、部活で最初の一文を決めて書くといって書いた物。
所要時間10分とかだった気が。過去の恥…。
君が言った一言で僕は変わった。
そう、君と僕が付き合い始めた一年前に君が言った言葉。
君はおそらく言ったことすら憶えていないだろうね。
君はこの一年ですっかり変わってしまった。外見もすっかり綺麗になった上、とても魅力的な人になった。
でも、最近気付いた事があるんだ。君は最近僕を避けているようなふしがあった。
それにね、僕は見てしまったんだ。
君が他の男といる所を。それも、一度や二度ではなかった。
僕は考えたよ。君が家族が病気だと僕に言ってまで、他の男と会っている理由をね。
君は一年前、僕の事を
「貴方って優しい人ね」
と言った。
僕は嬉しかった。
誰だって、好きな人にそう言われれば嬉しいだろう?
でも僕が変わったのは本当に最近なんだ。
僕はこの一月の君の行動を考えて、ある結論を出したんだ。
君は心の底から美しい女性だ。
だから、他の男とホテルから出てきたのも、理由があるのだろうと。
きっと、何か脅迫されていたんだね。
そう解った時、君が以前、僕に言った言葉を思い出して判ったんだ。
そう、『優しい』僕が、君をこれ以上傷つけさせてはいけないと。
以前の僕だったら、絶対に出来なかった。
でも、君が勇気を与えてくれて、僕は変わったんだ。
もうあの男と君が会う事はないだろう。
さあ、安心していいんだ。もう誰も君を傷付けはしない。
僕の横で眠っている君は、今迄にない位美しい。
また、君に会いに来るよ。
冷凍庫の中で目を覚まさない眠り姫に。
<了>